iPhoneについてはいろいろと書く事が多いのだけど…まあそれは追々として、iPhone導入の最大のポイントは何かというと、「外でメールが確認できる」ってこと。メールっていっても、いわゆるPCメールが確認できるということ。いや、確認というより、PCメールのアドレスから送信までできてしまう。さらにはモバイルミーでカレンダーも同期しているからスケジューリングも完璧。これはウチの仕事でいえば、デザインの実作業以外の、打合せ・スケジューリングに関してパソコンでやってたことが、ほとんどこれだけで出来てしまうという画期的なことなのであった。
iPhoneに関するブログなど読んでいても、まったくノートパソコンを持ち歩かなくなったという人が多い。あの孫さんも移動中にメールの処理が済んでしまうので、時間を有効に活用できるということを言ってたらしい。
発売当初はiPhoneのメールはこれまでのケータイのように「即着信」しない(してもお知らせがないとかいろいろとあるようだか)ので、使えない、などという話も多かったのだが、私としてはそんな議論がバカバカしく思えた。というのも、iPhoneの目的はPCメールの受信にあるということになると、そもそもPCメールなんて即着信しないわけで、クライアントソフト側でとりにいくのが普通。10分置きとかで自動的に取りにいっているから、自動的に受信しているように思っているだけで、それならiPhoneだってメールを取りにいけばいいというか、それが普通ではないかと。
Moukariさんのエントリー「iPhone のメール設定」 によると、米国ではSMS(いわゆるドコモのショートメール)での連絡が主で、ケータイでeメールなんかしないから、iPhoneもこういう仕様になっているんだそうだが、日本ではケータイ各キャリアのSMSに互換性がないからなかなか使われていないと(ワタクシ的にはvodafone、au時代は同じキャリア同士で連絡用に使っていたが、dovomoにしてからは、家族間のiモードメールの方が無料なのでまったく使わなくなってしまった)。ちなみにiPhoneのSMSはチャットみたいな可愛い画面で使いやすそうなので、即着用としてはぜひ使いたいので、早いとこ日本のSMSも統合してしまっていただきたいものだと思うわけである。
というわけで、表題の「究極の」iPhoneのメール設定、というのは、「いかにして即着するか」という話ではまったくない。私にとっては即着などというより重大な問題がある。それは何かというと、iPhoneのメールを使ってわかるこのメールソフトの使えないところ、というのは「迷惑メールフィルターがない!!」なのだ。
私の仕事柄というのもあるでしょうが、メールアドレスをサイト上にさらしているというのと、仕事上でいくつものメールアドレスを使いわけているため(10個程度)これに送られてくるスパムというのが膨大な数になってしまう。で、当初iPhoneのメール表示数を25にしていたところ、すべてが迷惑メール。これは使えない。100にしても迷惑メール(の表示)が増えるだけでどうしょうもない。最初はiPhoneに触るのが面白いから、電車での移動中に迷惑メールをちくちくと削除するというのもいいヒマつぶしになったが、そんなことをいつまでも続けられるわけがない。
で、どうするか。Gmailに転送してフィルターをかけるなんて話もあるが、それもどうか。返信はうまくいくのか、という問題もあるが、なんにしてもあまりに複雑な手法は、このスマートなデバイスには似合わない、そんな感じがする。
ではどうするか、ということを考えるのと平行して、もう一つ、事務所ですでに読んだメールがiPhoneで未読になり、iPhoneで読んだメールが事務所で未読になるというのが、かったるくなっていたところだった。これについては簡単に解決方法があり、それが
メールのアカウント設定をIMAPにする、
ということ。これはモバイラーにとっては当り前のことなのだろうが、とくに必要のない場合、プロバイダーの設定マニュアルにも「POPメール」の設定方法が書いてある場合が多いから、メールソフト自体をPOPにしている人が多いのではないだろうか。
ちなみに私の場合、PCメールを受信するのが目的であるため、当初メール設定についてやったことは、iPhoneをITunesで同期する、ということだけだった。これでメール設定がコピーされるので、そのままPCメールが受信できてしまう。例の@i.softbank.jpだのというのはまったく必要もないのであった。で、当然のごとく私のMacのOSXmailの設定もPOPになっていたので、そのままPOPアカウントで受信、既読メールをもう一回未読として受信するという無駄なことをしていたのであった。
というわけで、さっそくOSXmailの設定をIMAPに。私の使っているアカウントの主なものは、sxkuraインターネットとロリポップのメールサーバーにあるので、幸いどちらもIMAP使用可なのだった(ちなみに.MacあらためモバイルミーはもともとIMAPなのでこれは再設定不要)。
ちょっと困るのはどちらのレンタルサーバー業者のマニュアルにもIMAPのことが書かれていない。対応ををうたっていながらこれはちょっと…、なにかIMAPにしてほしくない理由(負荷)があるのだろうか? それはともかく、なんとかIMAPの設定をしてもう一つ困ったのが、こちらはクライアント側(OSXmail)の問題で、当り前だがPOPとは別アカウントになってしまうこと。これまでそのアカウントに来ていたメールの履歴や送信メールの履歴などが、新しいIMAPのアカウントとは「フォルダ」が別になってしまうので、なんとなく連続性のない居心地の悪さがある。ま、実用上はなんの問題もないのだが…(POPアカウントを「自動受信しない」設定にして、とりあえず削除しないでおくことによって、過去のメールはいつでも見える状態にはなる)。
しかしウチのアカウントは数が多いので、すべてのアカウントをIMAPに設定し直すと、単純にアカウント数が倍になってメールソフトが非常に見ずらくなってしまう。なので、とりあえずiPhoneで使用頻度の高そうなもののみをIMAPに設定(アカウントが少ない…普通の人はそうだと思うが…方にはもちろんすべてをIMAPにするのをお勧めします)。
↑
MacのMailでアカウントを設定したところ。
その後、あらためてiPhoneを同期してiPhone側もIMAPアカウントで受信。これで、当然、Macで読んだメールは既読となるので、かったるさが減少…するのですが、
なんと、この設定によって、Mac側で迷惑メールと判断したものは、自動的にiPhone側でも迷惑メールとして処理されてしまうではあ〜りませんか!!!!
つまりMacがiPhoneの迷惑メールフィルターになってしまう。
これは…実はこれも当り前といえば当り前なんですが、非常に画期的。
つまり、メール設定としてはIMAPにして、外出中もMacは起動したまま(これは事務所の性質上、そういうふうに元々している)にして、メールを5〜15分ごとに受信する設定にしておけば、それがiPhoneの迷惑フィルターになってしまう、ということなのだ。(逆にいえば、先に事務所のMacに受信、フィルタリングをさせた方がいいわけで、即着でない方が都合がいい!)
というわけで、現状、iPhoneで7つのアカウントを受信してますが、非常に快適。ホーム画面のメール着信のお知らせもほぼリアルに有用なメールの数のみが表示されるようになりました。しかもIMAP設定なら「送信メール」もiPhoneから見れるので、Macからどんなやり取りをしたのか確認しつつ、外で打合せができるというのもスゴイ。
そんなわけで、この「究極」設定をオススメする次第です。
(追記)
iPhoneでPCメール受信ということのメリットの一つに「Macが起動してなくてもメール確認できる」あるいは「ほとんどメール確認しかしないのにMacを起動しておくという電気代の無駄をなくすことができる」というのがあって、これを優先してMacを起動しないでおくと、当然iPhoneに怒濤のように迷惑メールが入ってきます。
しかし、この場合でも「後でMac(のメール)を起動すれば、即消えてしまう」と考えれば、いちいち削除したりせずに無視しておいても気にならない、という精神的なゆとりももたらしてくれるわけです。
2008年08月10日 11:07 by unicahier Tweet
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