一般の人はあまり使ってないと思うが…ぜひオススメしたいソフトがこのSILKYPIX。
デジカメのRAWモードで撮ったデータを「現像」するソフトなのだ。
と、いった時点ですでに分からない人もいるでしょう。私もこれを知ったときはショックであった。現像…、デジカメのデータを現像とは???
ようするに普通の画像データというのは、ピクセルデータの集合。で、そのピクセルデータというのは、ふつうはRGBの値がそれぞれいくつ、ということでしかない。ところがRAWデータというのは、デジカメで撮影した時の「光のエネルギー状態」みたいなものが、そのまま記録されているらしい。ようするに一個一個のピクセルに対してたくさんの情報が入っていると。それを印刷やその他に使うためにRGB(ひいてはCMYK)に「固定」してしまう作業を「現像」というわけだ。だからその「現像」処理のいかんによって、写真の仕上がりというのはまったく変わってくる。RAWモードのないカメラというのは、そのカンジンな「現像」処理をカメラに自動でやらせていた、ということになる。
で、その「現像」をおこなうソフトがいろいろとあって、これだけ一眼デジカメが出回っているのに、この「現像」について云々されることが少ないのが不思議なくらいなのだが、アップルファンであれば、アップルがApartureというソフトを出してることは知ってるだろう。しかしこれ、まだ英語版しか出てないしバージョンも若いし、開発中止の噂がとびかうなど、本気でとりくんでるとはとうてい思えない。そしてフォトショップを擁するアドビもこのテのソフトを開発中なのだが、まだベータ版。そんな中、国産にしておそらく高い評価を得ていると思われるのが、このSILKYPIX。とにかくそのホームページを見ると、RAW現像ひとすじ、そしてそれを世にひろめていこうという姿勢は感動もの。
で、実際使ってみると、この操作というのが露出を変更するなどまるで「撮影をしなおす」ような感じの手順で行えるので(実際、失敗したと思える写真も回復できる)非常に操作がしやすい。色温度の変更なども、フォトショップのトーンカーブ、色調補正になれていると最初はとまどうが、その効果、結果はすばらしい。はっきり言ってフォトショで色調を変えるというのは、なにかとんでもない結果がおきそうで、色校をみるまで安心できないというところがある。しかも、ポジの「現像」なら一回やればおしまいだが、デジタルの「現像」は当り前だが何回もやり直せるのがいいところだ。とくにこのソフトでは「非破壊処理」といって、絶対におおもとのRAWデータそのものを上書き保存してしまわないようになってるので、安心して作業ができるのだ。
てわけで、SILKYPIXの素晴らしさを感じていただけたでしょうか〜、ということで、誰でも思うのは、ではデジカメのRAW撮影データだけではなく、他の画像データもそれで処理できないのかと。実はユニでもメインで使っているデジカメはRAW撮影ができない。どうしても手軽なので、それを使ってしまうのだが、今回、みねまい&秋山羊子ライブでの撮影でも、露光オーバー気味で撮ってしまい、これをRAW現像で補正できないもんか…と思っていたところだった。
と、思ってたところ、なんと、本日未明のメールにてお知らせがきました。
SILKYPIX Developer Studio 3.0!!
以前からウワサのJPEGとTIFFデータを「まるでRAWであるかのように」補正・現像できるエンジンが搭載されたというのだ。すでに発売決定ということなのだが、一ヶ月間の試用ができるベータ版を配布中。さっそく私も試してみました。いうまでもなくおすすめですので、ぜひダウンロードしてお試しいただきたい。今回のソフトについていえば、RAWモードのないデジカメの方も「使える」し。あと、個人的な経緯をいっておくと、ほとんどカメラの露出やら何やらに無知だった私がこのソフトをいぢることで、なんとなくカメラの仕組みというものを理解することができた。そういう意味での入門にも最適であると思われるので、ぜひどうぞ。
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http://www.silkypix.com
2006年08月22日 11:17 by hirumas Tweet
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